「なんで〇〇勉強をしないといけないの?将来/生活で使わないのに!」という言葉を
生徒から聞くことが非常に多いです。
『意味の無い勉強をさせられている』
そう感じているのかもしれません。
では、なぜ大人たちは義務教育で
英語や数学、国語、理科、社会を、
またその各単元を、
学ぶように決めているのでしょうか。
本当に大人たちが集まって意味の無い学習をさせることを
真剣に話し合っているのでしょうか。
「なぜ?」を考える癖をつけてほしい
子供に「なぜ?」と聞かれた時、
「そういうものだから」と答える大人もいます。
ですが、子供たちには「学校で学ばないといけないと決まっているから」と、
考えることをやめて欲しくはありません。
生徒の学習に対する自習性が育たないからです。
ここでは「なぜ勉強するのか?」
各科目ごとに、
私の持論をご紹介してみることにします。
なぜ数学を勉強するのか
☆論理的に考える思考力を身につけるため☆
数学は将来使わなそうな公式を覚えたり、微分積分など複雑な計算ができるようになるために、
勉強しているのではありません。
数学の問題を解く練習をすることで、
問題解決のために論理的に考える練習をしているのです。
いわば脳トレです。
また、証明問題などは、
①ゴールを決めて
②ゴールまでの道筋(計画)を立て
③その過程に必要な武器は何かを選定し
④自分の考えた内容(計画)を誰にでも分かるように説明する
など、
たくさんの能力を身につけることができる分野です。
なぜ英語を勉強するのか
☆国際化・多様化している現代で、自分の可能性を広げるため☆
英語は生活の中でも必要性を感じることが多い分野なので、
必要だと思っている生徒さんも多いかと思います。
しかし、
「簡単な単語とジェスチャーでなんとか意思疎通はできるから、わざわざ文法を勉強する必要はないでしょう」
と思う生徒さんもいるはずです。
では将来、本当に死ぬまで英語とは無縁でいられるでしょうか。
世の中に絶対はありません。
今の世界では、
もっとも多く話されている言語は英語です。
どんな時に英語が必要になるか分かりませんし、
その可能性も非常に高いです。
(どんな職業であっても必要になる場面をたくさん思いつきます。)
仕事や海外旅行で、
英語をある程度、読み書きしたり話せたりできる方が
自分にとってかなりのメリットがある場面が出てくるかもしれません。
自分の思っていることを伝えたい相手に伝えることができること、
相手のことを理解したいとき、
きちんと伝えられる能力は非常に大切です。
☆言語だけでなく、その国の文化を学び、自国に生かすため☆
また、言語を勉強して学べることは、
読み書きや会話だけではありません。
英語を学ぶことで、英語圏の文化や歴史も学習することができます。
そして自分の視野を広げることができます。
なぜ国語を勉強するのか
☆様々な意見を持つ人の背景を想像できるようになるため☆
国語では、さまざま人の思考や意見などにたくさん触れ、
自分とは違う考えを持つ人がいるということを知ることができます。
そして、自分とは違い考えを持つ人が、
何を持ってそう考えたのか、その背景を想像する力を身につけることができます。
自分の考えが一番正しいと考え、人の意見に聞く耳を持てない人は
世の中を生きづらいです。
そうならないために、国語の勉強はとても大切です。
☆自国の言葉や時代背景から文化を学ぶため☆
日本古来の言葉や文学を学ぶことで、その歴史的背景や文化を学ぶことができます。
自国の文化をきちんと理解していることは、
他国の文化を学ぶための前提として必要なことです。
そして、「温故知新」という言葉があるように、
昔を知ることで、新しい知識や見解を導くことができます。
なぜ理科を勉強するのか
☆世の中の現象に疑問を抱き、仕組みを理解し、問題解決する力を身につけるため☆
生活をする中で、「なぜ?」と思う現象はたくさんあります。
もちろん理由を知らなくても生きてはいけますが、
疑問を抱き理由を知ることで、
考える力や、知っている知識を応用する力を身につけることができます。
☆世の中を良くする分野に携わるきっかけをつくるため☆
理科の中には一般の生活にも応用して、暮らしを良くできる知識がたくさんあります。
ですが確かに、
研究者や技術者になるつもりがある人だけ勉強すれば良いじゃないと思うような、
奥の深い単元もあります。
しかし、そもそも義務教育で全く化学や物理、生物、地学に触れなければ、
そもそもそのような学問があることも知らないままの人も多く、
勉強しようと思う人が出てこなくなります。
それでは国や世界の技術は発展しません。
興味を持ち、
その道の勉強をしたいと思うかもしれないきっかけをくれているのです。
なぜ社会を勉強するのか
☆過去の歴史を学ぶことで未来をより良くする方法を考えられるようになるため☆
過去を知らない人に未来を考えることはできません。
人間数十万年の膨大なデータから、
さまざな成功や失敗を学ぶことができます。
それを生かすことで、
国や世界などという大きなことだけではなく、
自分個人の未来を良くする方法を考えることができます。
☆世の中の仕組みと人間の心理を学ぶため☆
例えば、
過去に世の中が深刻な不景気に陥った時、
ファシズムが台頭した国と、そうじゃない国がありました。
命運を分けた原因はなんだったのでしょうか。
歴史の流れには、様々な要因があります。
ある状況に対して、
大衆の心理はどう動きがちなのか、
人間からどのような思想や運動が生まれがちなのか、
それを学ぶことで、
社会の中で生活をする上や仕事をする上で、
生かせることがたくさんあります。
なぜ、きちんと理解し高得点を取らないといけないのか
全員が全員、
良い成績をとって良い大学に入って良い職業に就かないといけないわけではありません。
勉強したくなければしなくても良いし、
高校や大学に進みたくなければ進まなくても問題ありません。
学歴が正義でもありません。
ただ、自分の長い将来を考えた時に、
どんな生き方をしたいか、
それだけは常に考えていてほしいです。
なぜなら、時間が経つと出遅れてしまう未来も
たくさんあるからです。
みなさんは、無意識のうちに自分の可能性を決めつけていませんか。
例えば、いろんな自分の未来の選択肢を比べて、
その中から理由があってあえて選んで、
「絶対にミュージシャンになるんだ!」と決めている生徒がいたとします。
そんな生徒さんには、
本人が望む未来には何が必要かを考えて、
それに沿って計画して必要な勉強をさせることが大切だと思っています。
しかし、ミュージシャンという職業しか知らず、または他の職業が元々眼中になく、
もしくは”私は勉強は苦手だから〇〇高校・大学は行けないと思うから”
”勉強を使わないはずの職業だから”
”なんとなく”
「ミュージシャンになりたい」と言っていて
そんなに勉強しなくてもいいやと決めつけている生徒さんは、
他の可能性を考えもしないまま自分の可能性を狭めているので
大変勿体無く感じます。
かといって中高生に「将来自分がどうなりたいか考えろ」と言っても、
簡単なことではありませんよね。
将来何にしたいか見つかっていない人こそ、今のうちに勉強しろ!
志望校が決まっていない、将来何になりたいか決まっていない、
そんな生徒さんもたくさんいます。
むしろ決まっている生徒さんの方が少ないです。
そんな人こそ、”将来の自分のために”勉強してください。
数ヶ月後、数年後、自分が何を考えているかなんて分かりません。
もしかすると今の自分には想像もしていないあり得ないことを考えているかもしれません。
数ヶ月後に行きたい高校・大学が見つかった時、
なりたい職業が見つかった時、
「学力が足りない・時間が足りない」で諦めて欲しくありません。
その時に自分が何をでも目指せるように、
将来の自分の可能性を広げてあげるために、
今のうちに勉強をして将来の自分の可能性を広げてあげましょう。
未来の自分が「やっててよかったー!!」と心から思えるかもしれませんし、
もしも、
5科目を勉強したことが無駄に思えるような職業を選んだとしても、
人生にとっては全く損ではありません。
なぜかというと、
一生懸命勉強をすることで、
「何かを必死に頑張った」という努力をする経験をしたり、
忍耐強さや目標に対しての戦略の立て方など、
勉強から学べる単元の知識以外の側面がたくさんあるからです。
このような経験がある人とない人では、
将来何かをしようと思った時に成功するか上手くいかないかの確立が変わってきます。
色んな世界を見てきた塾長は断言します。
若いうちに勉強しておくことは、どのみち得しかないのは明白です。
最後に
昔のように、
一族の職業が代々受け継がれていく世襲制で
自分のなりたいものになれない時代なら、
今、全員が学校で文科省のカリキュラム通りに勉強する必要も大学に進学する必要もありません。
しかし、
生まれた瞬間から
全ての人に平等に未知の可能性が認められているからこそ、
その可能性を見つけ、伸ばすきっかけをつくるために、
義務教育や高等教育があるのです。
勉強はあくまでも
未来の自分の可能性を広げるためにするものです。
ちから鼓舞では、
単に「勉強しなさい。」「勉強して良い高校・大学に行きなさい」とは教えません。
それはちから鼓舞の教育方針に反するからです。
何も考えずただ大人に言われたから仕方なくやるのではなく、
自ら考えて学習する必要性を理解し、
”無限の可能性”を持つ生徒たちの”ちから”を鼓舞し
自ら学習に向かえる生徒を育てたいと思っています。
https://chikarakobu.net/concept/